日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年11月17日会議の生産性を高める事前準備とは?



★会議の生産性を高める


在宅勤務になってから会議の数が以前よりも増えた、と感じる人は多いのではないでしょうか。私も週の半分は在宅勤務ですが、会議の回数は以前よりも増えたように感じています。ところで、私は生産性の高い会議を行うためのファシリテーションセミナーの講師を数年前から務めています。セミナー参加者に会議の実態を尋ねると、時間ばかりかかって結論が出ない、報告だけで終わる会議が多い、など満足できる状態ではないようです。会議を効率的・効果的なものにして今費やされている膨大な時間を節約できれば、組織の収益性は飛躍的に高まるはずです。今回は、会議の生産性を高めるための事前準備のポイントについてお話します。





★会議の目的を明確にする


1つ目に重要なことは「会議の目的を明確にする」ということです。会議が終わった後、どういうことが決まっているべきか、どういうものが共有されているか、などを具体的に考えます。例えば、よくこういう会議のテーマを見かけます。
・次の社員研修について
・今年の社員親睦会について
・今年の新卒採用について
このような議題で「自由に意見を言ってください」と促されても、この会議で何をしたいのかわからないので意見の言いようがありません。
・次の社員研修の開催有無、開催する場合は集合形式・オンライン形式のどちらにするかを決める
・今年の社員親睦会をどのような形で行うか、できるだけアイデアを出す
・今年の新卒採用の方針を決める
このように具体的に会議のテーマを設定すると、目的が理解できて意見が言いやすくなります。



★具体的な論点を示す


2つ目は「具体的な論点を示す」ということです。会議の目的を明確にしたら、次は具体的に考えてもらう項目を提示します。それが論点です。例えば、上の例にある「次の社員研修は集合形式・オンライン形式のどちらにするか」というテーマで会議を企画したとします。この判断を下すのに必要な論点として、次の様なものがあるでしょう。
・研修の目的をどう設定するか
・研修の対象は誰にするか
・どういう研修カリキュラムにするか
・研修の時間はどの程度必要か
こうしたことが明確でないと集合かオンラインかは決められないはずです。しかし、多くの会議では参加者が集合形式とオンライン形式のメリット・デメリットを思いつくままに話します。散漫な意見のやり取りになりますので終了時間が来ても結論が出ません。また結論が出ても後で振り返ってみると、なぜその結論になったのか説明できないという事態にもなりかねません。説明責任を伴った意思決定をするためには、具体的な論点をしっかりと定めることがとても重要です。



★具体的な案を提示する


そして、3つ目は「論点ごとに具体的な案を提示する」ということです。参加者が「はい」か「いいえ」で判断できるレベルの具体的な案を提示することです。会議が始まってから「研修の目的はどうしましょうか?」などと意見を求めていたのでは時間がかかりますし、様々な意見が出て1つにまとめることが難しくなります。これでは生産的な会議とは言えません。決定すべき事項の論点を事前に洗い出し、それに対する具体案を考えておくと参加者は「賛成」「反対」で判断できます。その結果、意思決定が早くなります。
上の例であれば、
・研修の目的は「お客様に良い印象を持ってもらうマナーを身につけること」とします。最近、お客様から御社の担当はマナーがよくない、というお話をよくいただくからです。
・対象は「既存顧客の担当者」とします。今回の研修は予算の制限から10名しか参加できません。最もマナー改善が必要な上記社員を優先的に対象とします。
など、論拠とともに案を作成します。このような案を提示することで、効率的・効果的=生産的な会議が実現できます。


慣れるまでは大変かも知れませんが、この3点を実行してみてください。驚くほど会議の生産性はあがるはずです。

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